レースを走らないと中々見えてこない、航汰の「勝つための方程式」が、前回のJ-GP2 デビューレースを終えて、ある程度課題が見えてきました。走り方については、軽量である125ccマシンからJ-GP2マシンへ『乗り方』を変えねばなりません。アクセルの開け方、ブレーキング、走行ライン等を変えないと、勝てないことが本人もしっかり自覚できました。ハード面ではYZF-R6のJーGP2仕様のデータが少ないのもあって、航汰に合わせたセッティングが出来ていなかったのですが、それも少し良くする方法が見えてきました。
それゆえ、7月の14日、15日にはツインリンクで行ったテストの最重点項目は、航汰については、乗り方の徹底的な矯正。そして、マシン面では、大幅な変更も視野に入れ、航汰に合わたセッティングを探し出す事でした。
テスト初日はTカーも含め2台ともに、エンジンに不具合が出ると言うアクシデントに見舞われ、まともなテストにはなりませんでした。その中でも、航汰はイメージを描きながら走り、翌日のテストを迎えました。
セッティングも今までから比べるとかなり大幅な変更をし、1回目はエンジンの馴らしから入り、2回目の走行に入ると、航汰は今までとは見違える走行ラインで、アクセルの開け方も良くなり、まだまだですがブレーキングも改善されてきました。
しかし残り15分、ニュータイヤに代えてタイムアタックに移ろうとする直前、前方が空きクリアになった周回にアクシデントは発生しました。S字でタイムを取っていた私のストップウオッチで、途中経過タイムは前回の予選に迫るタイムでしたが、3コーナーからの立ち上がり、3速全開で4速へシフトアップした瞬間ハイサイドで転倒、右手小指の付け根を亀裂骨折してしまいました。
リアタイヤが70周を超える使いすぎたタイヤだった事と、アクセルの開け方が良くなったので、これまでよりもスピードがのってきて、滑ってバランスが崩れた時にシフトアップしてしまったため、と本人が原因をハッキリつかんでいるのでメンタル的後遺症は少ないかなと思います。
怪我の方も、整形外科で診断してもらったところ、25日に予定していたテストと31日のモタードのレースはキャンセルしなくてはなりませんが、8月6、7日の「もてぎ 2&4」はグローブに細工をして出場可能という事でひとまず安心です。
心配をお掛けしますが、航汰は次回も全力で頑張ります!応援を宜しくお願いします。
Webike Team Norick YAMAHA 阿部光雄