首都圏に位置する日本を代表するサーキット、筑波。1970年に開設以来、40年以上に渡り、ライダーや二輪関係者に愛され続けた聖地。その地でMFJ全日本ロードレース選手権が開催されました。
■大会名 2012 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第3戦 スーパーバイクレース in 筑波
■カテゴリ J-GP2
■開催日 公式予選:5月12日(土) 、決勝レース:5月13日(日)
■開催場所 茨城県下妻市 筑波サーキット(1周=2.070km)
■天 候 予選:晴・ドライ 決勝:晴れ・ドライ
■周回数 25周 ■出走台数 17台 ■完走台数 16台
■PP 中本 郡(リリカAMENA with Out Run / 0分57秒376)
■FL 中本 郡(リリカAMENA with Out Run / 0分57秒727)
Webike Team Norick YAMAHAは、前回のもてぎでの転倒という悔しさをバネに挑んだ今回の筑波ラウンド。
予選前日のART合同走行では、マシンのセッティングが決まらず、また、ドライの状態から急遽小雨、そして強風という悪条件も重なり、思うように走行できず、ライダー野左根航汰をはじめ、チームとしても納得のいく結果とはなりませんでした。
そこで、野左根とメカニック、PITクルーが話し合った結果、急遽マシンの構成パーツの変更および、再セッティングを行うという大胆な作戦を取り、予選に望む事を決断しました。
そして迎えた公式予選。前日の事もあり、不安が残る形で迎えました。しかし前日同様、まれに突風が吹くコンディションですが、天候は快晴、路面状態は非常に良好な状態でした。
予選を開始して早々、前日に変更したパーツの影響で、再セッティングをするというアクシデントもありましたが、その後順調に走行を重ね、ラップごとに野左根航汰の調子も上がり、タイムも安定していきます。
当初目標としていた57秒台には到達しなかったものの、58秒前半のタイムをコンスタントに記録し、最終的には58秒067と、予選は5位で終了しました
前日のパーツ変更の不安から一転、マシンの状態は良く、野左根としても充実の内容。チームとしてもほっと一安心すると共に、決勝では期待できる予選結果です。
そして決勝の朝、前日に続き快晴、路面はドライ。
2日間続いていた突風もほとんど無く、まさにベストコンディション!
午前中のウォーミングアップランでは、マシン、野左根の状態も良く、数周で好タイムを出す展開に、決勝前の緊張感あふれる事前走行にも関わらず、阿部監督から思わず笑みが漏れるシーンも。
ウォーミングアップから順調ということで、タイヤを変更。決勝に向けて、好タイムの出たタイヤを温存する作戦を取りました。
その後も問題なくラップを重ね、充実したウォーミングアップ走行となりました。
決勝が開催される直前の昼休みに、ファンと選手の交流の場として、ピットウォークとコースウォークが行われました。多くの観客がコースに集まり、大変な賑わいとなりました。
野左根の前にもサインと握手を求めて長蛇の列が出来、収拾がつかなくなる事態も(笑)。
女性ファンの人気も高く、第1戦のもてぎに続き、観戦に訪れたファンの方が何人もいらっしいました。
選手と間近で触れ合えるこの時間、観客の方には、忘れられないイベントとなったでしょう!
そしていよいよ決勝。
マシンの状態もさることながら、野左根の状態も良く、チームとしても、並々ならぬ気迫をもってレースに挑みます。
予選5位、2列目のセンター位置では、スタートダッシュ次第では、一気に上位進出のチャンスもあるポジションです。
そして、運命のスタート・・・。野左根は狙い通りスタートダッシュを決め、わずかなスペースから一瞬にして上位ライダーを抜き去り、ポールポジションの中本選手には届かないものの、2位にジャンプアップ!
野左根は2番手からトップを走る中本選手を抜くべく果敢にアタック!前回のもてぎでの2ラップ目での転倒が脳裏をよぎりますが、野左根は勇気をもって果敢にアタック。
しかし、徐々にトップの中本選手から離されてしまう苦しい展開。さらに4位から3位へとあがった渡辺選手から猛チャージを受け、必死にこらえるものの、4周目についに捕らえられてしまい、3位へ後退。
この後レースは意外な展開へ。開幕戦を制し優勝候補でもあった浦本選手が5周目の1コーナーで転倒するというアクシデント。
野 左根は、その後も安定した走りを見せますが、トップ争いからは、少しずつ離れてしまう中、4番手の関口選手が後方に迫ってきます。そこからは、二人の熱い 表彰台争いが展開。まさに終わり無き戦いと錯覚しまうような10周以上に及ぶ熾烈な関口選手との一騎打ち。PITクルーも祈るような心境で戦況を見つめま す。
一方トップでも、中本選手と渡辺選手との優勝争いが展開され、目まぐるしく、トップの順位は切り替わります。
5位以下は、岩田選手、大木選手、生形選手、野田選手、髙橋選手の争いとなり、上位陣は3グループとなります。
野左根は一時関口選手との差をかなり縮められますが、落ち着いて対応。徐々に距離を離していきます。
そして、そのままついに運命のファイナルラップへ
依然として関口選手と最後まで激しいバトルとなりますが、全力を出し切り、抑え込み・・・
そのまま3位でフィニッシュ!
見事に初めての表彰台を獲得!
PITクルーも喜びを爆発させます!
レースは、最終的に、渡辺選手が、中本選手を捕らえTOPへ。中本選手は2位で、レースは終了しました。
その後の表彰台では、緊張感から開放され、ライダー野左根航汰をはじめ、PITクルーやスポンサーも初めての表彰台で大喜びに。
チームとして結果に飢えていただけに、今回のレースは満足すると共に、さらに上を目指すという強い気持ちがあらたに芽生えた戦いとなりました。
★レースの公式結果は、MFJオンラインマガジン よりご覧頂けます。
野左根航汰のコメント
レース前はかなり緊張しましたが、
決勝は5番手からのスタートでしたが、
全日本選手権で初めての表彰台、とても嬉しいですが、3位に終わ
ファンの方々には、日頃より応援してくださり、本当にありがとうございます。また、Webikeチームノリック
次は優勝を目指して頑張りますので、応援よろしくお願いします!
阿部光雄監督のコメント
全日本GP125へ参戦してから3年目、初めての表彰台は、非常に嬉しいです。
レース前は、予選で良いセッティングが出て、タイムも自己ベストと、良い状態で決勝に臨めており、非常に期待感を持っていました。チームとしても「いける」という雰囲気でした。
レース展開は、5番手からスタートダッシュに成功したのが大きかったです。その後は苦しい展 開だったものの、野左根はよく頑張ったと思います。3位という結果に現状では満足していますが、上位2台に離されてしまったのもまた事実。まだまだやるべきことはあります。どうして勝てなかったのかを分析し、次回のもてぎラウンドにつなげたいと思います。
バイクも今よりさらに進化させ、もっと上のレベルに持っていかなければなりません。野左根も優勝するには、より高い次元で、さらなる成長が必要です。もちろん、次戦は優勝するつもりで挑みます。
野左根、そしてチームノリックのファンの皆様の応援のおかげで、今回初めて 全日本の表彰台にあがることが出来ました。本当にありがとうございます。次戦、優勝を狙っています。今後ともご声援をどうぞよろしくお願い致します。
【決勝後インタビュー】
Q:2列目スタートでしたが、スタートで飛び出していきましたね
A:前回と同様スタートには成功し上手くいきました。最初はTOPについていきたかったが、ペースが伸びませんでした。トップグループについていけなかったのは残念ですが、3位を守る事ができて嬉しいです。
Q:中盤から終盤にかけて4番手の関口選手との猛追については、プレッシャーはありましたか?
A:どんどん近づいてきて自分もペースが上がらずに苦しかったですが、逃げ切ることが出来良かったです。
Q:開幕戦の茂木が転倒リタイアとなってしまって、今回の第2戦で見事表彰台です。調子は上がってきていると思いますが、いかがですか?
A:そうですね。今回は3位なのですが、調子が上がっているので次は優勝を狙っていきます。
Q:今回は地元開催となりました、最後に応援してくれた方にメッセージを
A:ファンの方、友人、スポンサーの方、すごくたくさん応援に来ていただき、ありがとうございます。そしてその中で入賞することが出来、うれしく思っています。応援ありがとうございました。
次回のJ-GP2参戦は 8月4日・5日 -ツインリンクもてぎ での開催です。
勝利を目指してチーム一同邁進していきます。皆さまの応援をよろしくお願いいたします!
※レース写真撮影:Toshiyuki KOMAI
1:54 AM
3年目で、表彰台 すごいです。